僧帽弁閉鎖不全症のカテーテル治療 ：Mitraclip®

 

僧帽弁閉鎖不全症（MR）

虚血性心筋症や拡張型を原因として重症心不全では、左心室の形状の変化から僧帽弁の弁下組織が後側方に牽引されて生じる「機能性僧帽弁閉鎖不全（MR）」が問題となる場合があります。重度の機能性MRは心不全患者さんにとって心不全増悪の大きなリスク要因となりますが、これまでは開心術以外に直接的な治療手段が存在せず、手術の負担が大きいことから実際に治療されることは殆どありませんでした。

高度の機能性MRを伴う拡張型心筋症の心エコー画像

 

僧帽弁閉鎖不全症のカテーテル治療（Mitraclip®）

機能性僧帽弁閉鎖不全（MR）のような病状に対して、2018年4月に本邦に登場したのが、Mitraclip(マイトラクリップ)という治療です。マイトラクリップは大腿静脈からカテーテルを挿入し、僧帽弁の前尖と後尖を左房側から挿入したクリップで把持することで、閉鎖不全を制御するカテーテル治療です。

マイトラクリップデバイス	僧帽弁カテーテル	マイトラクリップ
経皮的僧帽弁接合不全修復システム（Mitraclip®）

クリップを使用した僧帽弁閉鎖不全症治療（TEER）は、近年の大規模臨床試験において心不全患者さんの予後改善に寄与する良好な治療成績が示されています。体の負担が少なく施術できるマイトラクリップは重症心不全に対するカテーテル治療として注目されています。
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